<お口の健康に大切なだ液の話>

おいしそうな食べ物を見ると、口の中にだ液がわいてきます。

「つば」や「よだれ」といわれると、汚いもののようなイメージもありますが、
だ液は私たちのお口の健康にとても重要なもの。

今回は、だ液のイメージを回復すべく、だ液の素晴らしさをお伝えしたいと思います。

だ液は血液をもとに作られ、常時お口の中に2~3mlあります。

食事などで分泌量が増え、一日に分泌されるだ液量は500mlのペットボトル1~3本分。

かなりの量だと思いませんか?

だ液の働きとしてよく知られているのは、「消化作用」ではないかと思われます。

学生時代に、だ液にはだ液アミラーゼといわれる消化酵素が含まれている、
と習った記憶がある方もいるのではないでしょうか。

では、だ液の働きはそれだけでなく、しかも、だ液には2種類あるのはご存じですか?

だ液にはサラサラしたものとネバネバしたものの2種類があり、

消化を助けるのはサラサラのほう。

ネバネバには、お口の粘膜を保護し、細菌の侵入を防ぐ役割があります。

サラサラのだ液は、主に耳の下やあごのつけ根あたりから分泌されています。

ネバネバのだ液は、あごのつけ根あたりや舌の下から分泌されています。

この2種類のだ液が絶妙に働き、私たちの健康が守られています。

食事をとると酸性に傾く口腔内のpHを中性に戻し維持し、
歯の再石灰化を促進する作用は、むし歯予防に重要です。

老化防止や発がん性物質がつくる活性酸素を減少させたり、
認知症の発生を抑えたりする作用は、全身の健康維持に大切です。

加齢に伴うだ液を作る機能の低下や分泌する機能の低下で、
だ液の分泌が減ってしまうことがあります。

服用している薬の影響で、だ液の分泌が減ることもあります。

口呼吸や病気により分泌量が減ってしまうこともあります。

だ液の分泌量が減ると、これまでだ液の働きで保たれていた口腔内の健康や、
全身の健康を維持するのが難しくなります。

歳をとるとともに歯周病にかかりやすくなるのは、だ液分泌量の低下も一因だと考えられます。

だ液の分泌量が低下してしまうドライマウス(口腔乾燥症)は、

歯科医院で相談できますので

最近、口が乾燥するなあという方は、ぜひお気軽におたずねくださいね。

とみた歯科医院