お口の中の病気の一つとして、歯周病というのを聞いたことがある方も多いことでしょう。
歯周病はお口の中だけにとどまらず全身疾患につながる恐ろしい病気なのですが、
自覚症状が乏しく軽く考えられているように感じます。

・歯を失う原因1位の歯周病

2005年 財団法人 8020推進財団の調査報告によると、歯を失う原因の第1位は虫歯ではなく歯周病(41.8%)です。
初期段階では自覚症状はほとんどなく、出血や膿、歯のぐらつきが出てきたときは、すでにかなり進行している可能性があります。
歯周病を放置し進行してしまうと、その影響は歯の周面組織や骨に及び、やがて歯は抜けてしまいます。

・身体をむしばむ歯周病菌

歯周病菌がなんらかの原因で血液に入ると、菌は血流に乗って全身に回ってしまいます。
健康な人であれば免疫機能が働き菌は排除されますが、抵抗力が弱まっていると体内にとどまってしまう可能性があります。
体内にとどまった歯周病菌は動脈硬化や脳卒中、糖尿病などのリスクを高めます。
また、敗血症の原因になるともいわれています。
嚥下機能が落ちている場合は誤嚥性肺炎の危険が高まります。
歯周病の母親は低体重児を生むリスクが高まります。
中高年の約9割が歯周病にかかっているともいわれており、
高齢出産が増えている近年は出産リスクも見過ごせないものといえるでしょう。

・歯周病の治療

治療の基本は、感染部位を取り除き悪化を防ぐことが中心です。
初期の場合に発見できればブラッシング指導を受けることで改善が期待できます。
進行している場合は、局所麻酔を使用した治療が必要になることも。

・歯周病予防には歯科医院のご利用を

歯周病の予防や発見には、ご家庭での歯磨きと歯科医院にかかることが必要です。
プラーク(歯垢)は虫歯菌や歯周病菌の温床ですので、速やかに取り除くことが歯周病予防につながります。
合わせて歯科医院での定期検査を受けることが早期発見につながります。
歯科医院では、歯垢をつきやすくしてしまう歯石の除去などもできますので相談してみてください。

歯周病で歯を失ったり全身疾患につながったりすることがないよう、
お口の中で気になることがあったらすぐに聞けるような、かかりつけの歯科医院を持つことをおすすめします。

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