お口の中に、親不知(おやしらず)は生えていますか?

親不知は一番奥の歯で、第三大臼歯のこと。
他の永久歯が生後9カ月くらいに作られるのに対して、 4歳ぐらいに作られます。

近年、親不知がない人が徐々に増え、約3人に1人は親不知がないといわれています。
親不知の有無だけでなく、本数もさまざま。
1本だけの人もいれば、4本ある人もいます。

また、親不知は生えてくる時期も決まっていません。
個人差はあるにせよ、乳歯が生える時期、永久歯が生える時期は大体決まっています。
対して、親不知は17歳ごろから生えている人を見かけますが、
30歳になっても40歳になってもある日突然顔を出すほど、生える時期の個人差が大きな歯です。
一生顔を出さない人もいます。

他の歯に比べ向きがさまざまなことが多く、
対になる歯があったとしてもしっかりかみ合わせができているとは限りません。
こんな親不知は奥にあって磨きにくかったり、
他の歯に悪影響を及ぼす可能性があったりして、しばしば治療の対象となります。
無くなってもかみ合わせに影響しないことが多く、抜歯の対象となることも少なくありません。

そのためでしょうか。「親不知=抜歯」のように考えている人もたまにいます。
しかし、特にトラブルを起こしていない親不知を抜くことはありません。

親不知が虫歯になっても、対になる歯と十分なかみ合わせができしっかり機能している場合は、
治療を行うケースが多くなっています。

永久歯を抜歯する場合、抜けた分をブリッジやインプラント、入れ歯などで補う必要があります。
このとき健康な親不知があれば、抜いた部分に移植することも可能です。
将来のトラブルが予想され医師が必要と認める場合は、抜歯をすすめることもあります。
虫歯だけでなく、歯周病や炎症を繰り返す場合などです。

お口の中で、親不知ほど個人差が大きな歯はありません。
そのため、対処の仕方もさまざまになります。

一番奥の狭い部分に生える親不知は虫歯が進行しボロボロになると、
抜歯が大掛かりになることがあるので、避けたいものです。
親不知の存在が、歯列に影響するという考え方もあります。

お口の中の親不知に気が付いたら、一度歯科医院で診察してもらい医師の判断を仰ぐことをおすすめします。

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